・当院での鍼灸治療
当院では、患者さんの症状に合わせて鍼灸治療のやり方を変え一人一人のオーダーメイド治療をしています。
同じような症状でも使うツボや鍼を刺す場所が違います。
ぎっくり腰や寝違えなどの場合は、まずは患部を中心に治療を行い、慢性的な痛みや体の不調は全身のバランス治療をしていきます。
ぎっくり腰や寝違え等の急性症状であれば、9割以上の方が2~3回の鍼灸治療で日常生活に不自由ないぐらいまでになります。
西洋医学、東洋医学、О‐リングテスト、トリガーポイントなどを組み合わせ痛みのその時の最良の鍼灸治療をします。
スポーツでの怪我では、よく大会や試合前日にギリギリに通院する方が多いですが、痛みを抱えながら練習しているのであれば1週間ぐらい前にご相談いただければパフォーマンスを向上し試合に臨めるので、気になる症状があればお早めにご相談下さい。
最近注目されている美容鍼は、当院では顔だけでなく手や足のツボを使ってホルモンバランスの改善も行っていきます。
鍼灸が怖いという方も多いですが、当院で鍼が痛くてできないという方は、いませんので安心してお受け下さい。
・鍼灸とは
鍼灸治療とは、鍼(はり)やお灸をツボや患部に使い、それによって身体のバランスを整え、機能の回復をするための治療方法で痛みや不調を緩和し、身体が本来持っている自然治癒力を引き出します。
鍼は、古代中国から生まれた治療技術です。
初めのうちは、薄くとがった石の先端で腫れ物や出来物などをで突いたり切ったりする外科的なことを行っていました。
次第に動物の骨や陶器の破片などを利用した鍼が使用されるようになり、それ以降、冶金技術の進歩とともに金属製の鍼が使われるようになり、経絡や臓腑、陰陽などの考えと結びついて鍼治療が確立されていきました。
「気」という物が東洋医学の考え方の1つにがあります。
この気の思想が、後に経絡という考え方に発展していきます。
人体には気の通り道があるとされ、その道には気が溜まりやすい、気が漏れやすい、反応が出やすい経穴(ツボ)があることが分かりました。
経絡は、五臓六腑といわれる体の内部の臓腑器官と、体の外部である皮膚に結びついていて、内臓の異常が体表の変化として表れ、特に経穴(ツボ)に敏感に表れることが分かっています。
この異常な反応の出ている体表面のツボを鍼やお灸で刺激することで、内臓の異常を調整できるという重要な発見がありました。
中国で完成された鍼術は6世紀ごろ日本に伝わり、日本の風土や文化と融合しながら独自に発展し、江戸時代に、鍼管という管の中に鍼を入れて打ち込む管鍼法という方法が発案されました。
この方法は皮膚を刺す時の痛みが少ないことから、普及し現在の主流となっています。
また日本の優れた技術力によって、患者様の負担の少ない髪の毛程度の細さの鍼が作られるようになりました。
灸は、日本に6世紀頃に仏教の伝来とともに伝わってきたようです。
お灸は、民間療法として広く浸透し、江戸時代には弘法の灸と言われるくらい各地でお灸が普及しました。
有名なものでは江戸時代の俳人・松尾芭蕉の「奥の細道」の序文にも、「月日は百代の過客にして・・・三里に“灸”すゆるより、松島の・・・」と詠まれており、当時からお灸が日常的に使用されている様子をうかがい知ることができます。
ちなみに三里とは、膝の下にある「足三里」というツボを指し、足の疲れやむくみ、胃腸を整える万能のツボで、当時は「足三里」にお灸をして旅をすることが一般的だったようです。
今ではせんねん灸といって裏面にシールがある台座にもぐさが付いていて、、ドラッグストアーなどでも手に入り、誰でも簡単にできる貼るだけでお灸が出来るようになりました。
・鍼灸適用疾患
WHO(世界保健機関)が認定した適応疾患
*対処療法や体質の改善などの疾患を含みます。
運動器疾患 | 関節リウマチ・関節炎・頚肩腕症候群・むちうち・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折・打撲・捻挫) |
神経系疾患 | 神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・頭痛・不眠・自律神経失調症・めまい・ノイロ―ゼ・ヒステリー |
循環器系疾患 | 心臓神経症・動脈硬化症・高血圧症・低血圧症・動悸・息切れ |
消化器系疾患 |
胃腸病(胃炎・消化不良・胃下垂・胃酸過多・下痢・便秘)・胆のう炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾 |
呼吸器系疾患 | 気管支炎・喘息・風邪及び予防 |
代謝内分泌疾患 | バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血 |
生殖泌尿器系疾患 | 膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎 |
耳鼻咽喉科系疾患 | 中耳炎・耳鳴・難聴・鼻炎・メニエル病・鼻出血・蓄膿症・咽頭口頭炎・扁桃炎 |
婦人科系疾患 |
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊 |
眼科系疾患 | 眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい |
小児科系疾患 | 小児神経症(夜泣き・かんむし等)・夜尿症・小児喘息・アレルギー湿疹・耳下腺炎・虚弱体質の改善 |
すべての疾患を完治するというわけではなく、経絡のバランスを整えて症状を緩和することで疼痛や症状を抑えるという目的の疾患も含まれます。
その他の症状でも鍼灸治療で適応疾患もありますのでお気軽にご相談下さい。
・鍼灸治療の適用疾患
鍼灸治療は2000年以上前から中国で行われてきた伝統的な治療法です。
一般的に鍼灸治療というと、肩こり、腰痛やスポーツ障害等の痛みを取るものと疲労回復などの目的は良く知られていると思います。
鍼灸の効果は、運動器疾患の痛みに限らず神経系、消化器系、循環器系などの内科的疾患にも働きかける効果もあるとされています。
その効果はWHO(世界保健機関)にも認められるものです。
慢性的な疾患などでお薬の量が多く、薬を減らせない方などでは鍼灸治療で対応できるものの薬を減らしたりすることも可能になります。
・なぜ鍼灸は効くのか
鍼灸治療は身体の反射を利用したもので、身体の表面に鍼による機械的な刺激やお灸による熱刺激を与えて病気や症状の治療や予防をします。
鍼や灸でツボを刺激すると中枢神経内にモルヒネのような役割を持ったホルモン(内因性オピオイド)が放出されるので、痛みを脳に伝える神経の経路をブロックすることで痛みを和らげます。
また筋緊張を緩め、硬くなった筋肉で圧迫されていた血管を拡張し、循環が良くなるので新陳代謝が高まり、筋肉に溜まっていた老廃物や発痛物質を流すことで回復します。
さらに、鍼灸で体表面のツボを刺激することで、自律神経系のバランスを整えることが出来るので、内臓の不調や機能を改善させる事が出来ます。
鍼灸は、人の持つ本来の自然治癒力を引き出し、免疫力を高めてくれる為に症状を改善させ、体質を変える事ができます。